孤独の備忘録

生きるの難しい

みにくいモジカの子 感想

レビューするのはダウンロード版の

「みにくいモジカの子」

現在進行形で暗い世の中にこんなゲームやっててさらに暗くなってどうするよと思ったけど久しぶりにまともにゲーム1本完結できてすっきり

 

 最初に

※ネタバレのみです

※18歳未満はブラウザバック

 

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ヒロイン5人中3人が最後まで主人公に好意持たずに終わるのはすげぇよ・・

 

簡潔なあらすじは

主人公「種崎 捨」はどういうわけかとてつもなく醜い、当然周りにも嫌われ気持ち悪がられる。さらに主人公には相手の顔を見るだけで相手の心情が文字化して浮かび上がる「モジカ」という特殊な力が備わっていた。

しかし、そんな力があっても目に入ってくるのは嫌悪や言葉の暴力のみ。

この状況に慣れ切っていた捨はなるべく目立たないように常に下を向いて嵐がひたすら過ぎ去るのを待つ生活を続けていた。

学校は進学校ではあるがクラスはカースト制のような感じでもちろん捨はドベ。

まともな大人もいない閉鎖的な街が舞台。

そんな中クラスメイトの双葉みゆから告白されますがもちろん嘘。いじめっ子からの要求がエスカレートしていった結果、捨はこのモジカを使って自分に関わった全ての人間に復讐してやろうと決意する。

 

(主人公の名前にすてるなんて普通つけるかよ・・・とそこにまず突っ込みをいれたくなりました)

先に述べると、このゲームはシステム面が非常に奇妙で、通常こういったゲームは選択肢を選んで各ルートに入っていくわけですが、主人公がヒロインの前で重大な局面に立ち会う際に顔を上げて相手にモジカを使うかどうかでルートが変化していくという画期的なシステム。良くも悪くもプレイヤーはゲーム中地面の絵と主人公の足をずっと見ている状態です( ´∀` )

 

考察げーってほどでもないので各ルートから簡潔に書いてくと。

・双葉みゆ

捨とタッグを組んで順番に復讐を遂行していき、うまくいったかに思えた矢先にみゆの復讐の対象が捨に移っておしまい。みゆは力がなくても学校中の人間関係が事細かに記されたノートを所持しており、人間関係破壊もお手の物。要は背中を押すきっかけがあれば良かったただの怖い女の子です。このルートはゲーム中全部顔を上げるだけで行けるので誰もが最初に行き着くはずですがうーん暗い。この調子だとほかの子もろくなもんじゃないなと。

 

四月一日胡頽子

学校の情報通として密かに名が知られていた彼女にはコスプレ配信という隠すべき趣味があった。捨はこれを利用して復讐に生かせないかと接触を試みるが・・

話の本筋にはあまり関わらないルートで、胡頽子の露出狂としての性癖を捨が開花させて終わりっ!地味っこが実は変態とかゲームの中の常識ですけどこれはこれでいいのだ

 

・九鬼綺羅々

クラスで一番権力を持つヤクザの娘。それもあってか周りの人間たちは綺羅々がどんな酷いことをしていても見て見ぬふりをする。

このゲームでは最も捨が復讐したい相手であり、かつ性格も最悪。しかし各ルートで唯一捨に最後まで従わなかった強者。どんなに復讐されても壊れても最後まで捨を見ようとはしなかったのは驚き。終盤は男性限定でショッキングな展開が待ち受けるので注意。イタイイタイ

 

花椿

捨が「モジカ」の力を持つなら対する椿はモジカを無力化する「カンヌキ」という力を持つ感情を出さない出せない女の子。正直このゲームのヒロインで一番好き。(このゲームはろくでもない怖い女性が多すぎる)

醜いという感情がないので捨にも普通に接してくれるからプレイヤーにしてみれば今まで邪険にされすぎていたせいか一種の感動を覚える。

コンセイサマの生贄にされていましたが捨と街からの脱走を図り、成功したかに見えてそれは全て幻覚という落ち。

サブのハッピーエンドくらい用意してくれても罰は当たらないんじゃないかなと悲しみ

 

・許斐鳴子

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 5人目にしてTRUEエンドも兼ねた鳴子ルート

各ルートやBADENDにも出てくる笑子=鳴子でした。このルートは最後なのに徹底的に捨をイジメます。気力や体力をほぼ死ぬ寸前まで消費させて追い込んだことで捨に「モジカ」に加えて「カンヌキ」の能力を獲得させ、鳴子自身の復讐のお手伝いをさせるというのが大まかな話ですがちょっと伏線回収に欠けるのが残念でした。

 

鳴子は街の有力者が集まる年に一度のマグイ祭を狙い、諸悪の根源であるコンセイサマに森ごと火をつけることによって全てを一掃しようとする考えでしたが、それだったら話の終盤に火をつけ終えて火の規模が大きくなった時点で自らコンセイサマに飛び込む必要性がない。鳴子の父親もモジカが使え娘が反乱要素であるのを知っていたにもかかわらず対策を全く練っていなかったのもご都合要素にしか見えない。せめて錯乱した父親が鳴子をコンセイサマにぶち込んでそれを捨が助けに行く展開がまだ自然だったんじゃないかなと。

また鳴子は主人公である捨を昔からとても愛していると言っていますが

別のルートは、つまり捨が「カンヌキ」の能力を獲得できなかった世界線と考えると鳴子はなんら捨をサポートせずに簡単に足切りしているわけだからその言葉も嘘なんじゃないかと感じてしまいました。

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鳴子ルートはとりあえずコンセイサマも有力者たちも消えて平和に戻り、鳴子は主人公の子を宿してハッピー?エンド

 

あとは、捨と鳴子の関係性についてもはっきりと血縁関係があったかはゲーム中では明示されない点についても不満。システム面も顔を上げるクリック要求数が地味にストレスになるなどまぁ不満点も多いけどエンディングとそこからのタイトル移動の演出が見事だからなんだかんだ良いゲームでしたよ。

OPも余韻に浸るには素晴らしいし、システムも独自性でいえばやはりニトロというところでしょうか。新作が欲しいねぇ・・

 

 

まとめ

人間怖い

はましま薫夫さんの絵は最高

椿ちゃんルートのハッピーエンド希望